私たちの専門競技

《ハードル競技とは》どうすれば速くなれるのか。現役ハードラーが実践する練習法

こんにちは!陸上競技110mハードルをやっているアスリート社員の山本淳生です!

今回は、陸上競技の中でも特にスリリングで見ごたえのある「ハードル競技」についてご紹介します。ハードル競技と聞いて、なんとなく「障害物を越える走り競技」とイメージされるかもしれませんが、実際にはどのような競技なのか、またどんな練習をするのかを紹介したいと思います!

ハードルとは?

“ハードル”という競技は多くの人が聞いたことがあって、何となくイメージはしてもらえると思います。

男子は110m、女子は100mを走りながら、一定間隔に配置された「ハードル」を越えていくレースです。選手が走るコースには10台のハードルが設置されています。それぞれ高さが違い、男子は約107cm女子は約84cmで、選手はこれをスムーズかつスピーディーに越えることが求められます。

また、トラックを1周しながら10台のハードルを越える、400mハードルという過酷な種目もあり、私が専門とする110mハードルとは比べ物にならないくらいきつい種目です。それぞれハードル競技という面では同じですが、競技性は全くの別物なのでそこもまた難しいところです!

ハードル競技の魅力

陸上競技の中でも、ケガのリスクが高めで練習もしにくく、難しいとされるハードル競技。そんな競技にこだわってやっているのには理由があります。

やっぱりかっこいい

ハードル競技の魅力は何といっても見ていてかっこいいところじゃないでしょうか!

なんせ私がこの競技を始めたきっかけは、見ていてかっこいいと思ったからです。陸上競技はただ走っているだけと思われることが多いですが、ハードルは走って飛んでいるので、やはり見ていて圧倒されますし、絵にもなる種目じゃないかなと思います!

ただその分、難しい競技でもありますし、怪我のリスクが高かったり、なかなか一筋縄ではいかない競技でもあります。

戦略の重要性

陸上競技ならどの種目にも当てはまることですが、ハードル競技は特にその性質が強いのかなと思います。

陸上競技の花形である短距離走もかなり奥が深く、だれでも簡単に速くなる方法や走り方などはありませんが、ハードル走も一つ一つの要素を極めていくことがとても重要になってきます。

アプローチと呼ばれるスタートから1台目、ハードルへの踏切、空中動作、着地、ハードル間のインターバル、最後のハードルからゴールまでのスプリントに大体わけることができると思います。それぞれの要素に対して自分に合った形を探して、実際に試しながら試行錯誤していくことが非常に重要であり、正解の形がないので自分で動作を研究して自分に合った正解を見つけていくことが記録を向上させるために必要なことです。

私自身はこういった、研究して実際に自分の動作に落とし込み、違いを実感するという過程をとても楽しんでいます。陸上競技の動画であればずっと見ていられるほど熱中できることで、競技を10年以上つづけてきて、憧れている選手の動画は300回以上は見ている自信があります。そうやって研究して鍛錬していくことが大事なことだと思っています!

誰でも簡単にできる競技ではない

これは魅力なのか?と疑問に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、私はこれも魅力であり、誇りに思えることだなと思います。

ハードル競技は小学校、中学校、高校、一般とそれぞれ規格が変わっていきます。小学生は80mハードルですし、中学1年生の男子では100mハードルになります。

ハードルを始めるきっかけは、100m走では勝てなかった人や、出場枠がなくてハードルに出させられた人、ただかっこいいからやる人など、人それぞれです。しかし、最初はできていたハードルが、規格が変わることで難しくなり、400mハードルに転向したり、ハードル競技自体を辞めてしまう人もいます。

特に中学から高校になると規格が一般と同じになるので、ハードルの高さが一気に10cm以上アップします。難易度も一気に上がり、そこで競技や種目を転向する人も多くなります。また、その次の高校から大学まで競技を続けて全国で戦おうとすると、やはり才能・センスと呼ばれる面も必要になってきます。

こういったところで、誰でもできる競技ではないからこそ、強くなって戦えることができればかっこいいんです。

ハードルのタイムを速くする方法

正解はない

これをやれば速く走れます!タイムが5秒伸びます!というのは、私的にはあり得ないと思っています。どんな練習やトレーニングをしても、自分に本当にあっているのか、それで本当に速くなるのかはわかりません。

例えば、100mのタイムが伸び悩んでいて原因がわからず、ストライドを伸ばしてみようと考えてマーカー走をやってみる。100mの中でマーカーを2.5m間隔に置いて5本やるとする。それでもしタイムが伸びたとしても、この練習方法でストライドが伸びてタイムが上がったとは限らない。走り込みが足りなくて停滞していて、この練習が走り込みになって伸びたのかもしれない。

結局、自分が何をすれば速くなるという正解はなく、ただとにかく研究して、必要だと思うことを取り入れてやってみることが重要なのではないかと思います。

効果があったメニュー

何をすれば速く走れるかの正解はないと思っていますが、今まで自分で競技に取り組んできて、この練習はよかったなと感じたものを紹介していきます!

ハードルドリル

まずは基本的なハードルドリルです。ハードラーなら必ずやったことがあると思います。この基礎的な練習をいかに気を付けてやるかでタイムは大きく変わってくると思います。

足首の角度を意識する、膝を開かないようにする、リードアームを大きく振る、肩の力を抜くなど、ハードルドリルで何回も反復練習をして、無意識でできるようにしていくことが非常に重要なことだと思います。私はこの練習で様々な動きを習得することができたと思っています。

誰でもできる、やっていることを誰もできないレベルまでやりこむことは非常に重要だと思います。

中抜きハードル

この練習はやったことがない人もいるのではないでしょうか。ハードルを10台くらい並べて、4台目や7台目など、好きなところのハードルを抜いて走る練習です。

抜いたところのインターバルは7歩で走ります。7歩の走り方やスピードのコントロールの仕方など、かなりいい練習になります。また、間に7歩のスプリントを入れるのでスピードが上がりやすく、ハイスピードでハードルを飛ぶことができる練習にもなります。

詰めハードル

詰めハードルはハードル間のインターバルを詰めて練習をする方法です。ハードル間は基本的に9.14メートルですが、1足長~3足長程インターバルを詰めて練習します。この練習は自分の中で最も効果があった練習方法であり、おすすめの練習方法になります。時期によって詰める足長も変えてみると刺激も変わり、いい練習になります。

スプリント練習

スプリント練習は基礎となる練習です。自分は足が遅いので割とやりたくないメニューですが、この練習をおろそかにするとハードルは強くなりずらいと思います。タイムを安定させるという意味でもスプリントは重要です。やはり陸上競技なので足が速い人が強いのは割とどの種目も共通しているのかなと思っています。

まとめ

ハードル競技はとても難しく、楽しく、かっこいい競技です。これから始めようとしている人も、すでに専門でやっている人も、皆さん陸上が強くなりたいと思っているんじゃないかなと思います。そんな中で、いろんな練習をやって、いろんな人の動画を見て、真似してやってみることで成長できますし、理解を深めることにつながります。

ハードルという種目は準備に時間もかかりますし、練習する場所も選びます。ただ、それだけ楽しくやりがいのある種目です。誰でもできるわけじゃない、だれでも速くなれるわけじゃない。そんな中でいかに自分が一番輝けるか、が楽しいところで、ハマっていく理由なんじゃないでしょうか。

今回は、私がやっているハードル競技について紹介させていただきました。私もまだまだ未熟ですが、これからどんどん強くなっていけるように頑張ります!

最後までご覧いただきありがとうございました!

ABOUT ME
2024年4月入社。 陸上競技で110メートルハードルやってます! 仕事と競技の二刀流です!競技も仕事も結果出します!